生意気を持て余しているので

時間と生意気を持て余した女子大生の雑記ブログ。お気に入りの記事順に時系列バラバラで並べ替えてあります。

私の失恋を誰か聞いて欲しい。

 

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国境の長いトンネルを抜けるとそこは、スクランブル交差点であった。

 

 

 

 

 

というのは冗談で。まぁ、少なくとも雪国ではなかった。間違いなく。

私はまた、いつものように道玄坂にいた。

 

 

最近、失恋した。

私が彼氏だと思っていた男はどうやら彼氏ではなかったらしい。

別れようとも言われていない。

終わってみれば私たちはそのレベル、その程度の関係だったが、

私はきちんと、ちゃんと。病める時も、健やかなる時も。

彼を、愛していた。

21歳の女子大生が、「愛していた」だなんて、生意気が過ぎると思う。

でもこれ以上の表現ができないのだ。

宇多田ヒカルは「愛しているよ」より「大好き」の方が君らしいんじゃない?と言うが、私は間違いなく彼を「愛して」いた。

ピシッと決めたスーツの下に、ラクダ色のダッサい肌着とステテコを履いてるのを見たってその後普通に愛し合ったし、

ピロートークでプラットフォーム理論を語られたって愛おしいという感情しか湧いてこなかった。軽くイっちゃっている。

ステテコだよ?リアルに見たら笑うぜ?

 

好きな男は他にもたくさんいたが、愛していた男は彼だけだった。

愛って、怖い。

しかし、私の愛は、時に哀でもあった。

 

会う頻度は二週間に一度。

気づいたらたまにしか会うことできなくなって、口約束は当たり前。

それでもいいから。

…いや、よくねーよ。私はHYのようにいい女になんかなれない。

なりたくなんかなかった。

 

でも、

好きだった。

 

そうだ、「好き」という気持ちは時に「愛」に包括される。

 

男は会えないほど気持ちが消えるというが、女は会えないほど気持ちが高ぶる。

それはその通りで、こちらの気持ちがどんどん高まっていくだけの恋愛だった。

 

そして、出会って半年ほど経ったある春の夜、決定的な事件が起きてしまった。

 

端的に言うと、彼が私の友達に手を出したのだ。

 

彼が手を出した私の友達は成人したばかりであった。

 

世が世なら刺しているし、友の年齢が年齢なら彼は山口メンバー入り確定である。

泣きながら「許されるのならTOKIOに戻りたい」と言ったところで

TOKIOは、TOKYOは、東京は。お前を許さない。

HYも、 DASH村も、米も、東北だってお前を許さない。

もはやメンバーはメンバーではなくなったし亡くなった。

危険タックルはお前がくらうべきだった。

 

とにかく、寂しかった。

虚しかった。

誰かに会いたかった。

ここは東京。人はゴミの数よりも多い。掃いて捨てるほどいるのだ。

 

ゴミ収集車と言われたっていい。私はまた、新しい人と出会うべく、道玄坂に足を伸ばした。

 

 

会ってすぐに、「あぁ、こいつモテねぇな」と思った。

 

まず、歩くスピードが早い。早すぎる。

 

マークシティ裏の激坂を颯爽と歩く姿がカッコいいとでも思っているのだろうか。

風、強すぎ。付いていけない。

 

私は彼の後ろでセットしてある前髪が吹き飛ばされるのを抑えるのに必死だった。

『髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである。』というハゲの教祖、孫正義大先生の革命的名言を頭に浮かべ、思わず口元がほころんでしまう。

この強風、いしだ壱成なら間違いなく泣いている。

 

彼はそんな私に気づくこともなく、振り返らずに坂を登りきり、店に入った。

 

 

 不安な気持ちを抱えたまま私も彼に続いた。

 

 「やけに落ち着いているよね」

席について早々そう言われた。

これ、2018年の私の流行語大賞である。おじさん、私をみてこれしか言わない。ウケる。ワロタ。

「そんだけ落ち着いているってさ、大人慣れしているか、俺に全く興味ないかのどっちかだよね」

ピンポーーーーーン!!!!

坂の時点で彼に対する興味はゼロだったし、向かい合ってから気づいたヤニまみれの出っ歯は清潔感ゼロだった。

軽く写真詐欺だろ、これ。

 

「君はさ、年上の何が好きなの、三つ挙げて見てよ。」

酒も料理も来ないうちから捲し立てられる。

あぁ、モテない。しんど。

 

何かで「バツが付いていない35歳以上の男は、どこかしら絶対に欠陥がある」と読んだが、ここまでわかりやすく欠陥まみれな男も久しぶりだった。

 

導入を知らないのかお前は。

物語には、導入が必要だ。

 

だから結婚できないんだよ、お前。

 

若干呆れながらも、作り笑いを浮かべて

「甘えさせてくれるところ、依存しないところ、包容力」ですかね。という。

 

本当だった。

別に私はおっさんの金なんかに興味などない。

パパ活してそうと言われるのも私的流行語大賞にノミネートしかけたが、

事実、女を売ったことはこれまで一度もなかった。

 

ただ単に性的対象が一回り以上年上というだけだ。

 

「でもさ、それだけ?もっと、なんか、あるでしょ。本当の事言ってよ。表面的な事言っても意味ないじゃん」 

 

あぁ、めんどくせぇ。

 

家庭的トラウマや、今や港区おじさんとなってしまった実の父の事を話せば、私が一回り以上年上しか愛せない所以は一発で理解されるだろう。

でも、出会ってそこそこしか立っていない男にそこまで言いたくなかった。

 

 晒したくなかった。

 

私の、一番弱く、脆い部分なのだ、そこは。

 

「表面的じゃないですよ。全部、本当の事を言っています。」

そう、嘘は何一つ言っていない。

 

しかし、その男はどうやら私に「経済力」この一言を言わせたいようだった。

ほら、デート代とか負担してくれるでしょ?美味しいご飯も食べられるじゃない。

わかったように誘導尋問していく彼をみて、頭の中のギアを入れる。

もうこの男とどうにかならないことは第一印象で決まっていた。

あとは穏便に事を済ませてさっさと帰るだけ。

出会ってまだ10分も経っていなかったが、今すぐここから逃げ出したかった。

 

息を吸う。言葉とともに吐く。

「あなたは私に"お金"って言わせたいんだろうけど、私本当に、そう言うの興味ないんで。パパ活とかもやってないし。」

男は怯まない。

「いやいやさ、俺には、本当の事を言ってよ。もっとわかりやすく言って。どうしてそんな難しい言い回しを使うの?大人っぽく見せたい?全部嘘っぽく聞こえるよ。」

 

どこが難しいのかさっぱりわからなかった。

 

何かの本で、20歳を超えたあたりから人の性格なんて簡単に変わらないと読んだ。

つまり、20歳も、35歳も、60歳も。本質的には同じなのだ。

話が合わないのは大人とか大人じゃないとかそう言う問題ではない。

単純に、性格か経験値の問題である。

 

その程度のこともわかっていない。

大したことないな、こいつ。

 

20歳の女子大生は全員同じだと思っている典型的なパパ活おじさんタイプだ。

金を払えばヤレると思っている。

米山知事の再来。

 

『米山知事は主に渋谷区道玄坂に生息している動物で、自分より地位も名誉も低いメスを主食とする。

しかしながら時として、己の頭の弱さがゆえに逆にメスに捕食されてしまう哀れな動物である。  』

 

頭の中でナショナルジオグラフィックのナレーターが語る。

そう、ここは、ナショナルジオシブヤク。

弱肉強食の世界だ。

 

ゆっくり目を閉じて、さっきよりも深く息を吸う。目を開ける。吐く。

「金目当てなら、私、あなたと会ってない(笑)」

失笑しながら、言う。

 

相手の固まった表情を見て自分の牙が刺さった事を確認した。ガオー。

 

年収800万程度ででかい顔しやがって。

頭の中で伊東四朗がスッキリボタンを押す。

スッキリ!スッキリ!

 

「ねぇ、君、」セブンスターの煙を不味そうに吸い込んで彼は言った。

「君、今まで、ずっとこうやってきたの?」

 

何も言わずに彼を見つめる。

彼も、私を見つめる。

ふっと風向きが変わったのはわかった。

 

「なんて言うかさ、痛々しいんだよね、君。すごく背伸びしている感じが。元彼に浮気されたんだっけ?浮気っていうかさ、それ、そもそも付き合ってたの?相手は最初っから最後まで君のこと、手軽な女の子だと思っていたと思うし、いい風に食い物にされただけだよ。そして、君がそういう風な君である限り、この先も同じような男としか出会えない。」

 

一体何を言い始めたんだこいつは。と思った。

 

「でも、将来の話とか、していたんです。だから私、彼が私の最後でもいいと思った。」

そうだった。私が彼にのめり込んだのは、彼が私と将来の話をし始めたあたりからだった。

 

目の前の男は言った。

「男はさ、なんとでも言うわけ。君と寝られるのならば、なんとでも言うんだよ。将来の話なんて典型的だよね。ねぇ君大丈夫?もしかして恋愛経験めちゃくちゃ少ないんじゃないの?」

 

やめてよ。

 

「すっごい騙しやすかったと思う。ちょっとそれっぽいこと言ったら、丸ごと信じてさ。ホイホイ毎回会ってくれて、自分のこと好きだとかも言ってくれて。その男は、君を消費したんだね。君はもう消費しきったから、次の子にいっただけ。」

 

一刻も早く、この場から逃げ出したかった。

正直、泣きそうだった。失恋の傷は癒えてなかったのに、容赦無く牙をたてられる。

 

最後のプライドで涙は流していなかったけれど、あともう一口噛まれたら、出血多量で死ぬと思った。

 

「じゃあ、これからどうしたらいいのか教えてください。そういう男とこの先出会わないように、どうすればいいか教えてください。」

 

わかるんでしょ、そんだけ言うなら。あなたなら。

 

「わかるよ。でもタダで教えるわけないやん」

 

じゃあ、どうしたらいいの。

 

「このあと俺の家おいで。その後じっくり教えてあげる。」

 

 

 

 

 

呆れた。

 

 

 

 

 

 

結局お前もそれかよ。

 

さっきまで偉そうに色々言っていたのが台無しである。

いや、むしろオチがしっかりしていて逆に気持ちがよかった。山田くん、彼に座布団1枚差し上げて。いや、10枚あげちゃって。山田くん、早く。

 

途中まで怒涛の正論モンスターだったのに、最後の最後で体を求める性的モンスターに進化してがっかりした。本当に、がっかりした。

正直、久しぶりであった。

私に真正面からマイナスの牙で噛み付いてきた男は。

そして、私が揺らいだのは。

 

ドっと力が抜けた。

残ったのは、こいつもそれかと言う安心感と、途中までぶちまけられた正論に対する虚無感。

多分、途中までは、彼は絶対に、正しかった。

悔しいけれど、正しかったのだ。

 

だから揺らいだ。

 

疲れていた。もう帰ろう。

 

もう十分。

 

相手がトイレに行っている間に鞄から千円札を出す。

机の上に置く。

 

さようなら。

あなたと会うことはもう二度とないでしょう。

 

 

荷物をまとめて一人、道玄坂を下った。

 

 

副都心線に乗り、新宿へ向かう。

彼と、いや、"元"彼との街。三丁目。

 

新宿に着いた途端、堰き止めていた感情が、思い出が、溢れ出した。

 

情けないほど、泣いた。

声を出して、泣いた。

 

うわぁ、好きだったなぁぁぁぁぁぁ

大好きだった。本当に、大好きだった。

ごめんやっぱり宇多田の言う通りだ。

私にはきっと「大好き」の方が似合う。

東京を歩く人々は足を止めない。

東京は、人は。私に無関心だ。

マザーテレサは、愛の反対は憎しみではなく無関心であると言っていた。

更新されたホーム画面

絶対に合わない日程

変わらない既読無視

絶対に終わらない新卒採用

 

こんな風に、終わるのなら。

話し合いも何もなくこんな風に、

ただ単に私だけが消費されて終わってしまうのならば。

どうせ、捨てられるのだったなら。

 

全て伝えてしまえばよかった。

 

どこが好きで、

どの言葉が何度も反芻するほどだったか。

どの夜が忘れられないのか。

価値観を壊された行動。

実はそれはあなたが初めてじゃなかったと言うこと。

本当は気づいていたこと。

好きだから、気づかないふりをしていたと言うこと。

どうせ何を言っても響かないのなら、何もかも伝えてしまえばよかった。

 

この先、

春が来るたびにあなたを思い出すのは明白だった。

あぁ、どうか、

幸せになってください。

それを願うくらいあなたのことを本気で好きだった女の子がいたこと、あなたは一生知らないでいてもいい。

春憂う人、春超える人、春敬う人。

どうか。

 

 

 

 

 

 

最悪で最高な春休みを、どうもありがとう。

春。

 

 

 

 

 

 

-私の失恋を誰か聞いて欲しい-

執筆 2018/5/20

 

 

全国TOP30のネトナン師vs生意気な女子大生

 

 

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最近、彼氏に振られた。

 

 

正確に言うと振られてはいないのだけれど、浮気された。

「あなたに真剣になっていた私がバカみたい。」と言ったら連絡がつかなくなった。

私は彼の小さな浮気を許してあげるつもりだったのだけれど、35歳のいい歳した男が女子大生に生意気な口を聞かれるのはこれ以上ない屈辱だったのだろう。思えば小さい男だった。

 

 

ところで、私は、理由があって、年上の男しか愛せない。

   

もうそれは

「今からラブマゲドンしますよ〜、メンバーは10代後半から20代前半の男性陣です」と言われた瞬間、秒で自分の死を覚悟するくらい。それくらい、年上が好きだった。

 

 

一回り以上年上が好きな女子大生とおじさんが出会う方法。

 

第一位

 

それは「マッチングアプリ」ではなかろうか。

 

 

ありきたりなセリフだが、彼氏に浮気されて寂しかった。

虚しかった。

なんで私が。独り身に。

おかしい。なんで。

Fカップなのに。

こんなにいい子なのに。

 

悶々とした気持ちの中、

とりあえずペアーズというマッチングアプリに登録してみた。

 

そしたらくるわくるわ。

大量のおじさんたちからのいいね。

おじさんが湧いて止まらない。おじさんが有り余る。持て余してしまう。

 

もちろん私のプロフィールには「年上が好きです♡一回り以上年上が好きです♡真面目に交際したいです♡」的なことがちょっとお固めに書いてある。

あれ、これ米山知事パターンじゃね?

私3万で枕を交わせるJDだと思われてる?

まじで米山おじさんこの世にどんだけいるんだよってくらいの似たようなおじさんたちから大量にいいねがくる。

 

その中から、いいねを500近くもらっているおっさんとマッチ。


これをみてもらえばわかるが、男性でいいね500をもらっているって相当ヤバイ。

 

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全国TOP30である。しかも何がヤバイって、写真では全くイケメンではない。繰り返す。全くイケメンではない。

顔面レベルで言ったらマジで米山知事レベル。年収は1000万〜1500万。

フリーランス。東大卒。ぜってぇ嘘だろ。

フリーランスなんてどうせ支出無視した売り上げを年収扱いして、実際手取りは600とかじゃねえの?

まぁどのみち?

たとえ1000あったとしたって?

所詮は1000。何をそんなに騒ぎ立てることがあろう。

意味がわからない。

ましてや男性利用ユーザー22万人の中でTOP30入り。

意味がわからない。

彼の魅力は一体なんなんだろう。

その謎を解くため私はアマゾンの奥地へ向かった。もとい、渋谷道玄坂の隠れ家レストランへ向かった。

 

当日はフライデーナイトだった。この時点で「あぁ、夜ホテルに誘われても満室を理由に逃げ切れるな」とホッとする。

こちらもただの女子大生ではない。生意気な女子大生なのだ。

生意気を持て余しているため、当日は男ウケ最強なsnidelのオフショルワンピで戦いに臨む。

ハチ公前で待ち合わせをして、遠目から相手の姿を確認。

 

 

え??????

このイエローモンキーがTOP30?????

マジで???????

 

疑問と不安を抱えながら、笑顔で「こんにちは」と声をかけた。

 

じゃあお店行こうか。

 

うん。

 

とここで、出会い頭に衝撃的なことをイエモン(イエローモンキー以下同じ)から言われる。

 

「おめかししちゃって〜笑」

 

 

うっわ〜!!!!

おじさん!!!!!!

やべぇまじでおじさん。やば。

発言もかよ〜〜!!!

おじさんは見た目だけにしてくれ〜〜!!!(切実)

 

流石の私もちょっと笑ってしまって「はは(汗)これでおめかしですか?笑笑」と言ってしまった。

 

先行きに一抹もとい千抹くらいの不安を抱えお店に。

 

お店は普通だった。ザ、普通。

料理も普通。店員も普通。酒も普通。値段も普通。

この店で普通じゃないのは私達だけだった。

大したことないスペックでドヤ顔してるおっさんと、明らかにパパ活してそうな女子大生。

私達は明らかにお店で浮いていた。

 

当たり障りのない自己紹介をして、会話が途切れかけた時、

 

「腕のあざひどいね」と言われた。

そう、わたしはあざが多い。ほとんどは自分のマッサージで強く揉みすぎてできるものだが、

「多分赤血球が少ないんですよね」

事実をのべる。

「赤血球www何ちょっと頭良さそうな風に言っちゃってんのwww」

 

うぜぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!

東大だか何だか知らねぇけど死ぬほどうぜぇ!!!!!

こちとら白血球・赤血球・血小板の体内細胞数、再生に要する期間を述べるのはもとより、なんなら10回は模写してるくらいのバリバリの理系である。まじ舐めんな。まじ卍。

 

私「はは(汗)  まぁ一応理系なんで笑(汗) 」

 

イエモン「えー笑 ほんとは頭弱いでしょ絶対〜」

 

うぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!

ジジイまじで冗談は顔だけにしろよ!!!!!

 

酒は百薬の長とはよく言ったもんで、ここまで言われても私はシャンパン片手に終始笑顔で会話していたし、目の前にあるリブステーキ用のナイフを相手に突きつける事もしなかった。酒、まじ卍。ありがとう。ビッグラブ。

 

ここら辺で薄々気がついたのだが、相手は全く私の個人情報に興味がなさそうだった。

例えば「付き合う」ことをゴールとしたマッチだったら、住んでる場所や、将来について話すことは不可避だろう。

だが相手が気にしてたことといえば、私が元彼とどれくらいの期間で肉体関係を持ったかとか、過去に彼氏が何人いただとか、自分ではするの?とか、本当にクソみたいなことばかりだった。

 

あれ、もしかしてこいつ、噂の『ネットナンパ師』じゃね?

この辺で薄々そう気づいた。

 

世の中のナンパには、路上ナンパ師やネットナンパ師、という種類が存在し、

ツイッターにも

 

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こういう奴らがわんさかいる。

そして、ペアーズTOP〇〇位

というのは、ネトナン師にとって最高のステータスではないだろうか。

 

よっしゃやってやろうじゃないのwwww

私を口説き落としてみろよwwww

そのwwwお前のwwwwクソみたいなルックスとwww話術でwww

と頭が切り替わる。

 

酒もいい具合に回り、口角もより綺麗に上がって最高の笑顔を保てていた。

 

絶対に負けられない、

戦いが、

ここにある。

 

「二軒目行こう。」

といわれ、一軒目でホテルに連れ込む気がないところには安心した。
しかしさすがはネトナン師、二軒目で、円山町の15階にある夜景が見えるバーに連れて行かれた。

このままでは明日「JD/21/即」とツイートされてしまう。

 

だがしかし、私は生意気な女子大生。

ここ、数多の男に何度も連れてこられている。

なんなら、円山町で二軒目といえば、

日本酒が美味しいあそこのバーや、隠れ家洞窟風のあそこの和食、もしくはあの角のビアバー。もしくはあそこのワインが美味しいイタリアン。もうこれしかない。もう、これしかないんだよ。

本当に、手に取るように男はわかりやすい。

お前もここかよ…つまんねぇな。

もっとなんか、ないのかよ、猿が店長の居酒屋とか、スワヒリ語しかしゃべっちゃいけないバルとか。ねぇのかよ。

もう飽きたよ。こりごり。

 

そう思いながら15階行きのガラス張りのエレベーターに乗る。

「ほら見てごらん、綺麗だよ」

見たくねぇよ。なに、私が、この私が、

「きゃあすご〜い♡高〜い♡こわ〜い♡」とでもいうと思ったか??

こちとら100万ドルの夜景を誇る都市の31階に数年住んでいた女である。

どうか、お願いだから、高い土俵から見下ろさないでくれ。

なめてもらっちゃ困る。

女人禁制だかなんだか知らないが、そもそも私はお前の土俵に上がりたくもない。

 

明らかに不機嫌、かつ、やる気のなさそうな態度をとっているのにもかかわらず、彼はめげない。

「ねぇ手相見てあげる!!あ、長生きするタイプでしょ〜!!」と軽く手を触られる。

「耳、ちっちゃくて可愛いね〜!」

軽く耳を触られる。

もうなんか、なんだろう、このネトナン師。こんな典型的なやり方2018年では通用しないって知らないのかな。かわいそうに。もう時期平成は終わる。この街も終わる。お前はもうここでは生きていけない。森へお帰り。

 

一軒目の際、一応お会計時にお財布を出してる私は、おきまりの「じゃあ二軒目は私が払いますね♡」と発言している。

二軒目の円山町のバー、絶対に払いたくない。

なにが楽しくてこんなイエモンの酒に大学生の貴重なお金を出さなくてはならぬのか。

しかしこのままでは、全額とはいかなくも端数くらいは払わされそうである。

私は生意気な女子大生。キモい男とのデートは絶対に1円も払わずに帰りたい。帰り隊。

 

私は、酒を、煽った。

 

ここからはフィナーレ。もうタイムアップ。もう終わり。イエモン。あなたと会うことを楽しみにはしていなかった。でも、期待はしていた。

あっけなく裏切られたけれど。 

 

 

「それにしても本当にここの夜景綺麗…」

うっとりとしていう。頭の中は、この後サークルの飲み会の二次会に合流できるかな、である。

「渋谷の夜って本当に綺麗ですよね…」

思ってもいないことを口にする。

道玄坂、そこの坂抜けて降りて帰りましょうか♡」

明らかに酔っているという顔で、舌足らずに。

はい、王手。

 

そこの坂、とは円山の坂である。

つまり、ラブホ街を、抜けて帰りたいと暗に示唆する。

「じゃあ、私もう一回お手洗い行ってきますね」

 

携帯を片手にトイレに向かう。

トイレに入る直前に振り返ると、イエモンが指でバッテンを作って昭和風にチェックしてるのを確認した。

 

 

でしょうね。

 

 

もうあとは簡単だった。

最後の最後にこいついけるかも、と思ったイエモンは私がいない間に気持ちよくお支払いをしてくれたし、

あと私に残された使命は円山町で気持ちよく彼をかわすことだけだった。

 

「ねぇ、枕投げしてこうよ!!」

 

このセリフだけは褒めてあげてもいい。今まで言われた誘い文句の中で、一番面白かった。この日一番面白かったよイエモン

でもね…

実は…

「私…枕アレルギーなの」

 

 

さようならイエモン

 

2時間ちょい、アマゾンの奥地で一緒にいただけだったけれど、彼のTOP30の謎は解けなかった。

最後に寂しそうに「俺完敗だな 笑」と言っていた。気づかないうちにイエモンもこれは勝負だと感じ取っていたのだろうか。

 

さようならイエモン

またね、と言って別れたけれど、また、はない。きっともう二度と会えない。

トロフィーは私が持って帰る。

 

一人でサークルの二次会に向かう副都心線の中、虚しい気持ちだけが残った。

多分、イエモンも、寂しかったんだろう。

渋谷には掃くほど人がいるのに。

吐くほど人がいるのに、誰にも逢えなかった。

くるり琥珀色の街をAirPodsに流す。

 

 

実を言うと、この街の奴らは義理堅い。
お前と一緒で皆弱っている。

この街はとうに終わりが見えるけど、俺は君の味方だ。

 

 

ほら、東京で聞く椎名林檎とヒカルとくるりは、いつだって、綺麗にわたしを殺してくれる、なぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、彼氏に、会いたい。

 

 

 

 

 

-全国TOP30のネトナン師vs生意気な女子大生-

執筆 2018/4/26

 

アキさんという名の男

 

 

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彼の名は、アキさんといった。

 

 

 

死神のような男だった。

出会った人全てを石にしてしまいそうなくらい綺麗な顔をしていて、183cmはあるだろう身長に黒いスーツがよく似合っていた。その日は雨が降っていて、新宿伊勢丹の前で黒い傘をさして佇んでいた姿は今でも忘れられない。絵になる、とはこういうことだと思った。

美しい人だった。

 

 

新宿三丁目に四季の路という通りがある。

あぁそうだ。私に新宿の、とりわけ三丁目という場所を教え込んだのはアキさんであった。

 

 

一番最初のデートで、四季の路にある京料理屋さんに連れていってもらった。

まだ21歳そこそこだった私は、なんて素敵な場所を知っているんだろう、と感動すると同時に、アキさんが京都出身だとわかって納得した。

私も海外に住んでいた頃は日本料理屋の場所だけは詳しかったものだ。

あっけからんとした京都弁が心地よかった。

 

「大抵のことはさ、どうでもいいんだよ」というのが彼の口癖で、

ドジっ子な私が遅刻したり、忘れ物をしたり、(余計な御世話であるのはわかっていたが)アキさんの仕事の悩みを心配したりすると、いつもそうやって言って笑っていた。

「ポイントを押さえておくんだよ。人生で、大事なポイントを。最低限これだけは絶対に譲れないという点を自分で決めておくんだ。そうしたら、それ以外は案外どうにかなるもんだよ。だから、君もそうやって生きな。」

アキさん、それいいね。私は頷いた。

 

アキさんのような綺麗な男が、なぜ私とこんなにも会ってくれるのかわからなかったが、

彼は飽きずに私と二週間に一回会っていた。

 

出会ってからもう何回季節を超えたのだろう。

 

「なんで私とこんなに会うの?飽きるでしょう」

いつだったかそう聞いた時、

「俺、君といるの好きなんだよね、あと俺、君の顔が好きやねん」

とさらっと言われた。

変わった男だな、と思った。

控えめに言っても私は決して美人じゃないし、どこにでもいる女子大生だ。アキさんの顔ならモデルと付き合っていてもおかしくないのに。

「私もアキさんといるのが好きだよ。」

ゆっくりと、心をこめて、本心で伝えた。

私も、アキさんといる、あの、なんとも言えない中途半端な空気が好きだった。

 

 

遊ぶネタは尽きなかった。

ビリヤードとダーツが得意というアキさんに、初めてバグースに連れて言ってもらった時、本当に楽しかった。

アキさんは何度も丁寧に私にビリヤードを教えてくれて、私は教えてくれるアキさんを失望させないように、本気で上手くなろうと必死で遊んだ。

3回目の勝負でアキさんに勝った時、死ぬほど嬉しかった。

嬉しすぎて、まるで女子高生のように飛び跳ねてアキさんに抱きついた。

この、飛び跳ねている、

21歳の、学生の、私を。

この瞬間、永遠にしようと思った

私の中でも、アキさんの中でも、永遠にしようと思った。

  

でも本当は知っていたよ。わざと負けてくれたこと。 

 

君は才能あるなぁ。俺に勝つなんて。

笑いながら言ってくれるアキさんを見た時、泣きそうになった。

わざと負けてくれて、褒めてくれるだなんて、まるで父親のような愛情に崩れ落ちてしまいそうだった。

そういうところが好きだった。

 

そうだ、私はアキさんのそういうところが好きだったのだ。

 

彼はちょっと変わっているところもあって、

いわゆる、ザ、JAPAN的な変態でもあった。

私がハロウィンかなんかの前後に高校の時の制服を着て行ったら、えらく喜ばれたのを覚えている。

遠目から見ていたいと言って、私とアキさんの距離を前後に20m保ったまま新宿の地下通路を歩いたりもした。

「せっかく着ているのに、どうせなら近くで見てよ。」と笑いながら言ったら、「こういうのは遠くから見てる方がいいんだ。」と謎の理論を語られ、それもそれで面白くって悪い気はしなかった。

それに、そんな変わった性癖を言ってくれるくらい、アキさんが心を許してくれているのがわかって、なんだか嬉しくなったりもした。

 

ところで、私は毎日勝負下着をつけているのだが、これも彼から言われたことだった。

「いつ倒れてもいいように、いつ死んでもいいように。最後、人に見られる姿が気を抜いている不本意なものだったら死んでも死にきれないでしょ。」

21歳の女子大生からしたら、そんなことはどうでもよかったし、身近に死を感じたことなんてなかったけれど、そういうものなのか。と思って、アキさんに下着を選んでもらった。

それは毎シーズン続いていて、春も、夏も、秋も。

私たちは下着屋に行っては、まるでカップルのような顔をして、二人で真剣に選んだ。

私が、いつ死んでもいいように。 

いつ誰に下着を見られてもいいように。

 

そんなこんなで、アキさんといることによって私はいろんなことを学んだ。

いろんなことを勉強できて、私は、彼と会うたびに、一歩ずつ大人になっていたように思える。

 

でも、

 

いつからだろう、

わかっていた。

これが永遠じゃないことなんて、

ちゃんと、きっちり、私は、わかっていた。わかっていたよ。

 

アキさんは、支払いにカードを使わない。

一度ふと見えてしまった財布の中身は、現金以外何一つとして入っていなかった。

suicaも無記名の物だった。

アキさんは、お店の予約を私の名字で予約する。

私は、アキさんの名字すら、知らなかったのだ。

 

 

怖かった。どうして今まで気づかなかったのだろう、

あんなに、私の前で笑ってくれているアキさんが、

あんなに楽しい時間を一緒に過ごしたアキさんが、

いろんな話をしたアキさんが。

本当はアキさんじゃないかもしれないだなんて。

 

 

何も知らない。私は、彼の、何も知らない。

 

 

そう気づいてからは早かった。

一方的に搾取されている気になった。

私だけが、アキさんに、全て吸い取られているような気持ちになった。

 

 

知りたかったわけじゃない。

別に、アキさんのことを端から端まで知りたかったわけじゃない。

アキさんと付き合いたかったわけでもない。

アキさんの家に行きたかったわけでもない。

 

 

ただ、私は、

彼と、対等になりたかっただけなのだ。

 

 

生まれとか、育ちとか、仕事とか、給与とか

そういうことじゃなくて、

私が彼のことを好きだったくらい、好きになって欲しかったとか

そういうことじゃなくて、

 

 

ただ、

 

 

私がアキさんを信頼していたのと同じくらい、

 

 

どうか、信頼して欲しかったのだ。

 

 

 

年収とか家とか、そんなことを知ったら私が態度を変える女だと思った?

名前で会社を知られるのが怖かった?何かに悪用するかと思った?

 

 

それとも、

刹那的じゃなく愛されてしまうと思った?

 

 

考えれば考えるほど、もう限界だと思った。

私だけが搾取されているような状態で、もう彼の笑顔を見られないと思った。

 

 

「好きな人ができたので、もう会えないです。」

嘘だ。そんな人いない。でも、こうするしかない。

お酒の力を借りて、深夜に勢いで送信した。そのまま間髪入れずブロック。そしてそのまま連絡先削除。

もう、二度と会えないように。もう、二度と、嘘を訂正できないように。

 

 

あぁあの時、酔った勢いで連絡先を消しておいて本当によかったと思う。

 

 

だって、ものすごく会いたいのだ。

未だに、ものすごく会いたいのだ。

 

 

アキさん、ビリヤード、やっぱり才能あった見たい。ここのところ負け知らずだよ。

アキさん、大学の友達にセーラー服を着ているところを見られたら年齢考えろって笑われちゃったよ。

アキさん、あれから下着はちゃんと自分で選ぶようになったよ。

アキさん、あの歌舞伎町の中華屋さん、もう一度行きたかったな。

話したいことは山積みで、宛名のない手紙も崩れるほど重なったけれど

 

 

私は、元気でいるよ。

 

 

心配事も少ないよ。

 

 

 

ただ、ひとつ、今も思い出すよ。

 

 

なんてことは、まるでないのだけれど。

 

 

 

-アキさんという名の男-

 

 

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